血管年齢を若返らせて、いつまでもイキイキと
血管の伸縮性と弾力性は年月とともに衰え、硬くなった血管の内側には余分なコレステロールや中性脂肪が少しずつ溜まり、狭くなっていきます。こうして、血液の流れが妨げられる状態が動脈硬化で生活習慣病の原因の一つになります。
今回は食事や運動で血管をしなやかにする方法についてご紹介します。
血管年齢を若返らせることは可能
加齢と共に血管が老化して動脈硬化が起こる・・・これはある程度仕方のないことです。
また、親や兄弟・親戚などに心臓病や脳卒中など動脈硬化が関係する病気にかかっている人が多い場合は血管が老化しやすい体質を受け継いでいる可能性が高いといえます。
これも自分の努力で解決することは困難でしょう。
しかし、血管を老化させる危険要因はこれだけではありません。メタボリックシンドロームを構成する内臓肥満・高血圧・脂質異常症・糖尿病・高尿酸血症・痛風・運動不足なども血管年齢を上げます。
これらの要因は努力次第ではかなり改善したり、時には解消することも可能です。
食事面で気を付けること
血管ケアの大きなポイントは食事です。まずは一日のエネルギー摂取に気をつけて、食べ過ぎないようにしましょう。毎日、体重を測ることは食べ過ぎに対する意識づけになります。
コレステロールを多く含むものは控えめに
食事内容ではコレステロールを多く含むものを出来るだけ控えめにしましょう。
具体的には鶏・豚・牛のレバー、鶏卵、スジコやタラコの魚卵、生クリーム、ケーキなどがコレステロールを多く含む食品の代表です。肉の脂身やベーコン、バター、チーズなどに多く含まれる飽和脂肪酸はコレステロールを上げる作用があります。
不飽和脂肪酸はコレステロールを減らす!
これに対して、菜種油・ひまわり油などの不飽和脂肪酸はコレステロールを減らす働きがあることが分かっています。
鯖や鯵などの青魚のEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)も不飽和脂肪酸の一種で、特にEPAは血管や細胞に取り込まれて血管を柔らかく、しなやかに保つ効果があるといわれています。
食物繊維の摂取も忘れずに
他に積極的に摂りたい栄養素としては食物繊維も忘れてはなりません。
食物繊維は小腸でのコレステロールの吸収を阻害し、体外に排出する働きがあります。
逆に摂り過ぎに注意したいのは塩分と糖分です。塩分の摂り過ぎは血圧を上昇させ血管を傷つけます。
食事の摂り方のポイントは三食きちんと規則正しく摂ることです。
言い古されていますが、三食規則正しく人体のリズムに合わせて食事と生活をするということほど大切なことはないようです。
仲間と一緒にウォーキングはいかが?
血管ケアに欠かせない、もう一つの重要な生活習慣が運動です。
酸素を取り込みながら身体を動かす有酸素運動をすると、体内にある一酸化窒素を刺激して血管を開く働きのあるブラジキニンという物質の分泌が盛んになります。
いつでもどこでも一人でもできるのがウォーキングです。ウォーキングのコツは、一人でもできますがパートナーや友人と楽しくやることと、できれば歩幅を広げて最低でも20分は続けると良いと思います。
快眠、禁煙で血管の老化を防ぐ
私たち人間は昼に行動する昼行性の動物です。その為、活動期となる昼は交換神経が優位になって体温が高く、心拍数も高まります。
逆に休息期である睡眠中は副交感神経が働き血管が広がり、血圧や心拍数も低くなります。
ところが睡眠不足になると、交換神経が高ぶり血管が収縮し血圧が上がり心臓に負担をかけます。それだけではなく、食欲を増すホルモンの分泌が盛んになり肥満になる可能性が高くなります。
快眠は血管を若々しく保つ大事な要素です。寝る前のカフェインなどの摂取は避けて、入浴などリラックスできることをして休まれると快眠の条件が揃います。
また、百害あって一利なしなのが「タバコ」です。タバコは血管を収縮させ、血液の流れを悪くします。タバコを一本吸っただけで、血管の収縮状態は30分も続くそうです。
更に血管や細胞を老化させる活性酸素を喫煙により増やします。
タバコを吸われる方はこの機会に禁煙にチャレンジされてはいかがでしょうか。
最後に人生の楽しみでもある食をいつまでも楽しくいただく為に「一日のエネルギー摂取量の求め方」をお知らせいたします。
一日のエネルギー摂取量の求め方
<公式>
一日のエネルギー摂取量=標準体重×身体活動量(kcal/kg)
標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22
★身体活動量(kcal/kg)
- 軽労作・・・25~30kcal/kg
- 普通の労作・・・30~35kcal/kg
- 重い労作・・・35kcal/kg
今回は血管年齢を若返らせるというテーマでまとめてみました。
血管系の病気になったら制限食の味気ない食事になります。
それよりも食べ過ぎ、摂り過ぎに注意して、いつまでも美味しく楽しい食事ができるよう頑張りましょう。