【平成】ミネラルウォーター・飲料業界の30年を振り返る

皆さまこんにちは。新元号が「令和」になると発表されましたね。

30年間続いた平成も残り1ヶ月となりました。

そこで今回は、平成の年表とともにミネラルウォーターや飲料業界の歩みを振り返る記事にしました。

平成30年間 飲料業界のビッグニュース

平成2年(1990)伊藤園が世界初のペットボトル入り緑茶を発売

当時“お茶はタダで飲めるもの”という常識があった緑茶業界に革命を起こしたのは、伊藤園が発売したペットボトルの緑茶「お~いお茶」(1.5L)だそうです。

開発当初は、緑茶抽出後の風味を維持することや、成分を沈殿させず見栄えの良い製品を作ることが難しかったそうです。

その他のニュース 平成2年(1990)

・年明けから株価下落、バブル経済崩壊へ

・東西ドイツ統一、45年ぶり

流行語大賞

新語部門 金賞;ファジィ
流行語部門 金賞;ちびまる子ちゃん(現象)

 

平成3年(1991)カルピスウォーター空前の大ヒット

「遅くなってごめん」というキャッチコピーで登場したカルピスウォーター。

自動販売機の設置数が拡大の一途であった80年代後半、各社がこぞって新商品を投入する中、水で薄めて飲む必要があったカルピスは自販機での販売が不可能だったそうです。そんな中、長年の研究開発の末、満を持して発売されたのがカルピスウォーター。

年間500万ケース売れたら大ヒットといわれた当時の清涼飲料水業界で2,000万ケースを記録した空前の大ヒットだったそうです。

その他のニュース 平成3年(1991)

・湾岸戦争

・雲仙普賢岳が噴火

・SMAPがCDデビュー

流行語大賞;「…じゃあ~りませんか」

 

平成6年(1994)観測史上最大の猛暑で水不足に

観測史上最大の猛暑と渇水に見舞われ、深刻な水不足となった1994年。

当時、水道水の品質が高いとされる日本では一般家庭で水を買う習慣があまり普及していませんでした。

そんな中、渇水により多くの地域で給水制限がおこなわれ、節水が呼び掛けられたことで、家庭用としてのミネラルウォーターが普及する大きなきっかけとなりました。

 

その他のニュース 平成6年(1994)

・関西国際空港開港

・オウム真理教、松本サリン事件

・日本人初の女性宇宙飛行士 向井千秋さんが宇宙へ

流行語大賞;「すったもんだがありました」、イチロー(効果)、「同情するならカネをくれ」

 

平成8年(1996)500mlペットボトル飲料供給開始

ごみ問題に対する懸念から業界では使用を自粛されていた小型サイズのペットボトル。

1996年、リサイクルの取り組みが本格化したことから、消費者ニーズにこたえて500mlサイズのペットボトルを導入することになったそうです。

 

その他のニュース 平成8年(1996)

・病原性大腸菌「O157 」による食中毒が全国各地で発生

・「Yahoo! JAPAN」がサービス開始

・ルーズソックスが流行

・たまごっち発売

流行語大賞;「自分で自分をほめたい」、友愛/排除の論理、メークドラマ

 

平成11年(1999)ミネラルウォーター、2000年問題で消費増大

1999年から2000年に変わる時、コンピューターが誤作動を起こし予測不能なトラブルが起こるかもしれないと危惧された「2000年問題」。

電気や交通網などが止まるのではないかと心配されており、2000年を前に小渕元総理が国民に呼びかけたCMでは、「万一の場合への備えが重要です」「念のため防災用の水や食料を確認してください」と呼びかけたことなどから、備蓄水としてのミネラルウォーターが意識づけられたそうです。

 

その他のニュース 平成11年(1999)

・ノストラダムスの大予言がブーム

・『五体不満足(乙武洋匡著)』がベストセラー

流行語大賞;雑草魂、ブッチホン、リベンジ

 

平成15年(2003)アミノ酸飲料がブレイク

平成15年は健康志向の高まりを受け、アミノ酸飲料や「トクホ」のお茶、豆乳ブームなどが起こりました。また、ミネラルウォーターの輸入も激増しました。

皆さまの中にも、当時サントリーから発売された「燃焼系アミノ式」のCMで流れた「燃焼系~燃焼系~♪」というメロディーや、制服を着た女子高生がクルクルと驚くような動きをする光景が記憶に残っているという方も多いのではないでしょうか。

 

その他のニュース 平成15年(2003)

・オレオレ詐欺が横行

六本木ヒルズがグランドオープン

流行語大賞;毒まんじゅう、なんでだろう~、マニフェスト

 

平成17年(2005)宅配水クリクラの誕生

全国のクリクラチェーンの本部となっている株式会社ナックが「クリスタルクララ」というブランド名で宅配水・ウォーターサーバー事業を全国展開しました。

その後平成21年(2009)に「クリクラ」に名称を変更しました。

当初、ウォーターサーバーは一般家庭へは広く普及していませんでしたが、近年、冷水と温水をいつでも使える便利さや、安心・安全にこだわった水が、仕事や家事で忙しい方や、より安全な水をお求めの妊婦さんなどにご好評いただき、今では一般家庭のお客様にも広くご利用いただいています。

 

その他のニュース 平成17年(2005)

・愛知県で「愛・地球博」開幕

JR福知山線脱線事故

流行語大賞;小泉劇場、想定内(外)

 

平成21年(2009)飲料大手のキリンとサントリーが合併交渉

当時国内の飲料業界で1位と2位のシェアを誇っていた大手2社の合併交渉。

結局実現には至らなかったものの、これが実現すれば、世界でも最大規模の飲料メーカーになるとあって、業界内はもとより世界でも注目されていました。

 

その他のニュース 平成21年(2009)

・鹿児島で桜島が爆発的噴火

マイケル・ジャクソン氏が死去

流行語大賞;政権交代

 

平成23年(2011)東日本大震災発生、業界を挙げて被災地へ飲料水供給

東日本大震災の影響を受け、被災地の飲料水調達の為、国内の多くの飲料会社で工場をフル稼働させたり、緊急輸入を行ったりするなどして供給を急ぎました。

被災地以外でも緊急用の備蓄水としてのミネラルウォーターの需要が大きく拡大し、宅配水が一般家庭に広く普及するようになった大きなきっかけとなりました。

 

その他のニュース 平成23年(2011)

・サッカー日本女子代表がFIFA女子ワールドカップドイツ大会で初優勝

地上デジタル放送に完全移行

流行語大賞;なでしこジャパン

 

平成25年(2013)コンビニのカウンターコーヒーがヒット

コンビニのカウンターコーヒーがヒットする先駆けとなったセブンイレブンの「セブンカフェ」。

今ではしょっちゅう利用するという方も多いのではないでしょうか。100円という値段で本格的な味のコーヒーが手軽に楽しめるとあって一気に人気が広がり、コーヒー業界に衝撃を与えました。

その他のニュース 平成25年(2013)

・2020年夏季五輪・パラリンピック開催地が東京に決定

・富士山が世界文化遺産に

・『笑っていいとも!』放送終了

流行語大賞;今でしょ!、お・も・て・な・し、じぇじぇじぇ、倍返し

 

いかがだったでしょうか。

平成の30年間だけでも、ペットボトル飲料の普及や健康志向の高まり、自然災害の影響など、様々な時代背景から消費の移り変わりがあったことがわかりました。平成の時代を懐かしみながら見て頂けましたら幸いです。

 

【おまけ】ミネラルウォーターが一般家庭に普及するまで

日本ミネラルウォーター協会によると、日本のミネラルウォーター市場は、平成元年(1989)から平成29年(2017)までの29年間で30倍あまりに拡大したそうです。

そもそも、日本は世界でも有数の水道水の品質が高い国といわれており、一昔前まではお金を払って「水を買う」という文化がほとんどありませんでした。

そんな中、国民が経済的に豊かになってきたバブル時代頃を境にミネラルウォーターが徐々に注目されるようになり、人々は安心安全な水をお金を出して購入するようになりました。

平成に入ると、平成6年(1994)の記録的猛暑による水不足、東日本大震災や熊本地震などの相次いだ自然災害などの影響もあり、水を買うという習慣が一般家庭にも広く根付いてきました。

また、そのような背景もあり、普段の飲み水としてだけでなく、非常時の為の保存用備蓄水としても需要が高まりました。

日本初のミネラルウォーターは炭酸水だった!?

さて、日本で初めて販売されたミネラルウォーターは何だったのでしょうか。

ここまで見る限りでは、日本のミネラルウォーターの歴史はわりと浅いように感じますが、その起源は意外にも古く、1880年代(明治中期)には既に、スパークリングミネラルウォーター(天然炭酸鉱泉水)が瓶詰めされ、横浜や神戸の居留地の外国人やホテルに提供されていた記録があるそうです。

意外にも、最初に販売されたミネラルウォーターは炭酸水だったのですね。 

しかし当時は、ホテルなどでの業務用としての利用がほとんどで、一般家庭には普及していなかったようです。

 

<参考資料>

一般社団法人全国清涼飲料連合会「業界年間10大ニュース」http://www.j-sda.or.jp/learning/10news.php

一般社団法人日本ミネラルウォーター協会「Q&A集」https://minekyo.net/publics/index/7/

 

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